うえええ? 終わっちゃったのお?
虫画伯による肖像画
どうなるのぉ?
上向きで行こう!
いよっ、ダイトウリョウ!
【報告】講談『邪鬼往来 赤瓢箪奇譚』観覧。
「どうだった?」 「どうだった?」 「ねえどうだった?」

千成びょうたんたちも、興味津々です。
はい。講談の宝井琴調先生の『邪鬼往来 赤瓢箪奇譚』のネタおろしの高座を観覧してまいりました。報告いたします。

玉坂(≒荻野さちこ)の落語台本「仕合わせ瓢箪」を 琴調先生が講談台本に改作するにいたる顛末は
☞ ☆この記事 に書きましたので興味があったら、色文字をクリックしてご覧になってください。
ざっくりした言い方ですが、落語は登場人物を一人で演じ分けて「会話」で話がすすみます。
講談にももちろん会話はありますが、状況・情景を物語る「描写」を中心に話がすすみます。
そうした構造の違いもありますが、
今回の琴調先生の改作の思いきりのよさには、心底感嘆しました。
興奮しました。最後は泣いてしまいました。本当に面白かったです。(^0^:)
もともとは英国作家のスティーブンソンが1890年代に出版した「The Bottle Imp」です。
願いをかなえる魔物のガラス瓶の話です。
いろんなタイトルでいろんな翻訳があるので、こちらもお勧めいたします。
ネタバレになるので詳しく書けませんが(小瓶あらため)瓢箪にはルールがあります。
そこに琴調先生は、条件を二つ加えました。これが効きました。すごい発明。
それから話をスケールダウンしています。それによって展開がシンプルになりテンポもあがりました。
気の利いた描写や言い回し。楽しいくすぐり。泣けるアクション。
そして講談らしい語彙のかっこよさにはしびれます。
人物の性格も、夫婦の関係の解釈にも違いがありました。
随所のワザが光って光って、連打でパンチをくらいましたよう。ああ…もうダウンだ。
……って…書きながら確信しましたが、
あの初演高座を一番堪能したのは間違いなくワタシです。(^^:)
終演後、優しい琴調先生は「たくさん変えてごめんなさい」と何度もおっしゃったけど
とんでもない。本当にいい勉強になりました。
こんな機会にめぐまれて私は本当に果報者です。
拝聴しながらたくさん響きましたが、今後気づき考えることも山盛りありそうです。
最後に、象徴的な気づきを書いておきます。
琴調先生の瓢箪には色がついていました。赤い色。
冒頭、先生が懐からとりだした赤い手ぬぐいが瓢箪になりました。
お客席の想像力がたよりの日本の話芸。
物語をお客様各自の頭に浮かべていただくわけです。
赤い色。赤い瓢箪。
その設定だけで、みなさんの頭に瓢箪が強く固定できる。
その発想がなかった。
私の瓢箪は何色だったんだろう。 (°°) …。
ええ、もちろん落語『仕合わせ瓢箪』に誇りを持っています。
森乃福郎師匠の名演で落語の祖の祖、策伝和尚にも聞いていただきました。 ☞ ☆この記事
そして講談『邪鬼往来 赤瓢箪奇譚』は名作です。
琴調先生の再演が楽しみです。
きっとやってくださると思っています。




でしたら、ぜひここで

